Sanae Takaichi
<省エネと脱炭素を支える超断熱材素材>
2つ目にご披露いただいたのは、新しい断熱技術「TIISA」(ティーサ)です。
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の主任研究員である、同機構発のベンチャー企業(株)Thermalyticaの創業者兼CTOのウー・ラダーさんからご説明いただきました。
世界で消費されるエネルギーの約75%が無駄になっており、その大きな要因の一つが、建物の断熱不足に伴う「エネルギー損失」だそうです。
従来、既存の「断熱材」で高い性能を得るには素材を厚くする必要がありましたが、20年の研究成果として、「超断熱材料」の「TIISA」と、その「TIISA」を含んだ世界初の「超断熱塗料」を開発されたそうで、わずか2〜3ミリの薄さでも1300℃の炎を遮断することができるようになったそうです。
実際に、「超断熱塗料」を手に塗って、バーナーで火をあてる動画も拝見し、断熱・遮炎の効果を目の当たりにすることができました。
デモンストレーションとして、私自らが、「超断熱塗料」と既存の「断熱塗料」をそれぞれ塗布した金属板を熱したものに触れ、効果の違いを体感しました。
この塗料は、市販のものと比べ約2.5倍の断熱性能を持つため、夏は涼しく、冬は暖かい、快適な室内環境を保つことができるそうで、エアコンだけでは十分な冷却効果が得られなかった施設に、実際に導入した結果、屋根と外壁に施工することで電気代を約6割削減できたとのことです。
実際に、説明された方ご自身も、国連の事業の一環として、今年4月にウクライナを訪問され、キーウの暖房が機能しない子ども病院で塗装を行い、室内外の温度差を6.6℃改善することができたとされていました。
また、この断熱塗料は、液体水素の輸送に必要な-253℃の低温領域にも対応でき、「水素社会の実現」にも貢献できると伺いました。
省エネルギーだけでなく、災害や厳しい環境の下で暮らす人々の命を守る技術として大いに期待しております。
(株)Thermalytica のリンク先: thermalytica.com/ja
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